私は高校生から「メンズエッグ」を毎月読み漁りM字バンクの前髪に全神経を集中させていた。そしてそんな風貌から友人から
「ホストやったらいいやん」(ホストの方すみません)
とよく言われた。
でも自分中でその当時、他のギャル男と一緒にされたくないプライドがあって自分はギャル男ではないと信じてM字バンクを貫いていた。(今考えれば矛盾してる)
なのでギャル男=ホストという勝手なイメージがあった私はホストの世界には足を踏み入れなかった。でも夜の仕事には興味があったので歌舞伎町に進出する前にまずはBARから夜の仕事をしようと大学に通いながらアルバイトをした。BARと行っても格式のあるBARではなく、ボーイズバーやガールズバーのようなスタイルのBAR。
たまに社長が店に来ることがあったがいかにも成金と言わんばかりのカリカリでロン毛に金のネックレスに外車のSUVに乗って来る。
見るからに関わりたくないタイプの人・・・笑
特に悪い人でもないし良い人でもなく特にイメージに残っていない。ただ身なりが成金スタイルだったことしか覚えていない。
勤務が始まるのは夕方17時から。
夕方からBARに客はあまり来ない。なので大通りに面した道路でキャッチをしに行く。
キャッチは今までしたことは無かったが知らない人に声をかけるのは特に苦手ではないのでよくキャッチに行った。
女の先輩と2人でキャッチに行く。男の客を捕まえるときは女の先輩がキャッチに行って私は通行人のフリをする。男性客は男がいると来ない人も多かったので・・・
女性を捕まえるときは私と先輩が仲良く2人で声をかける事が多かった。そしてこの作戦は何故かよく成功した。
「また一丁行きますか!」
と言いながら夕方はよくキャッチに出向いた。BARで働いていてこれが一番楽しかった。
まだ19歳だった自分は仕事と名目でできるだけ可愛い綺麗な人に声をかけることに全精力を注いだ。笑
夜の22時を過ぎると客が増える。
基本的に常連さんが多かった。常連さんは色んな人が多かった。
これはBARあるあるかもしれないが常連客になって店員からあだ名をつける事が多かったが「〇〇ちゃん」とあだ名がついた人には共通点があった。
良い人(優しい)
断れない
よく店に来るが基本飲まされてる
要はカモにされてるのが共通点だった。でもその人たちはみんな幸せそうだったのでそれも一つの生き方かなと今では思う。
他にもブルガリのネクタイをくれる人や
トランプでマジックを教えてくれる人などがいた。
そのネクタイは今でも使っていてマジックも今でも出来る。
でも私が一番辛かったことが夜起きている事だった。
これだけは努力してもどうにもならない。
もう0時を過ぎたあたりから一気にやる気がなくなって眠たくなって来る。
見た目は、徹夜でオールなどをしてそうな見た目だがめっぽう睡魔に弱いので自分は夜が向いてない事に気づいた。
なのでそれ以降はホストの人や夜の仕事をしてる人を尊敬する。私は昼夜逆転する生活は絶対にできない。
なので私の歌舞伎町の進出計画は実行する前に幕を閉じた。そして昼の仕事で将来働こうと決心できた。
ありがとう夜の仕事。そしてさよなら。二度と帰って来ません。笑